ソニーは18日、画素数を7割増やした産業機器向けのCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサーの技術を開発したと発表した。多くの光を取得できる「裏面照射型」で、画像のゆがみを解消する機能を実現した。高効率で検査工程の生産性向上などに役立つとして、自動化が進む工場などに売り込む。

高精度で高速な処理が求められる製造や検査、物流などに向けて「プレジウス エス」を開発した。産業機器向けでは画像のゆがみの原因となる画素処理の時間のずれを解消するため、一時メモリー部に電荷信号を蓄える「グローバルシャッター機能」を搭載している。新技術では独自の遮光部の機構で効率的に集光できる「裏面照射型」で同機能を実現した。従来は入射光が限られる「表面照射型」だった。

従来に比べ1.7倍の高解像度を実現し、より広範囲に高精度な検査が可能になった。処理速度も高め、撮像面積と撮像枚数を掛けあわせた高速性能は2.4倍に高まる。検査工程などの時間短縮などにつながる。2019年夏以降にサンプル出荷を始める。

ソニーはスマートフォン(スマホ)向けが多いイメージセンサーの用途開拓を進めている。産業機械で求められる効率性や高速性などを実現し、自動化が進む工場の需要を取り込む。
2019/3/18 14:35
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42596070Y9A310C1X20000/