NECは13日、勤務のタイミングをより柔軟に決められるよう制度を変更すると発表した。介護や子育てなど従業員の置かれた状況に応じて、様々な働き方を選べる体制を整えて人材の確保につなげる。IT(情報技術)サービス業界ではエンジニアなどの採用競争が激しくなっており、労働環境の整備が不可欠になっている。

同社は出勤時間を柔軟に決められる「フレックスタイム制度」を1989年に導入した。従来、必ず勤務するよう求めていた午前8時半から午後3時の「コアタイム」を10月1日から廃止する。従業員は短時間で仕事を切り上げ体調不良になった子どもを保育園に迎えに行くといった対応がとりやすくなる。

1日の所定労働時間である7時間45分に1カ月の勤務日を乗じた時間の範囲内で帳尻を合わせればよい。深夜の勤務は禁じるなど詳細は今後詰める。

19年の春季労使交渉で賃上げと並行し、働き方の改善についても労使で議論していた。ITサービス業界では人材の確保が難しくなっている。例えばこれまで顧客だった自動車業界が自動運転技術の開発などで自らITエンジニアの積極採用に乗り出している。待遇や労働環境の整備では、同業だけでなく業界外も意識せざるを得ない状況になっている。
2019/3/13 13:55
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42397230T10C19A3TJC000/