【北京=原田逸策】中国税関総署が8日発表した2019年2月の貿易統計(ドルベース)によると、輸出は前年同月比20.7%減の1352億ドル(約15兆円)だった。輸入は同5.2%減の1311億ドルだった。今年は春節(旧正月)休暇が2月上旬だったことが影響した公算が大きい。米国との貿易摩擦や中国の景気減速も重荷となった。

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貿易摩擦や景気減速が重荷となった=AP

前年同月の水準を下回るのは輸出が2カ月ぶり、輸入は3カ月連続。輸出の減少幅は16年2月以来3年ぶりの大きさ。1月は輸出が9%増えて税関総署は「幸先の良いスタートを切った」と説明したが、中国企業が春節休暇前に商品在庫を減らすため輸出を急ぎ、表面上の数値を押し上げただけだったようだ。

春節休暇の影響をならすために1〜2月の数値でみると、輸出は前年同期比4.6%減の3532億ドル、輸入は同3.1%減の3095億ドル。輸出、輸入ともに前年同期の水準を下回った。

米国による中国製品への追加関税の引き上げをにらみ、昨年は駆け込み輸出が膨らんでおり、その反動が出ているとみられる。輸入減少の背景には個人消費をはじめとした内需の減退がある。貿易の本格回復にはしばらく時間がかかりそうだ。

2019/3/8 12:56
日本経済新聞
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