成田空港(千葉県成田市)を管理運営する成田国際空港会社の夏目誠社長は28日の定例会見で、来年春から顔認証技術を活用した搭乗手続きを開始すると発表した。顔認証を導入するのは世界で3空港目という。夏目社長は「成田で導入するシステムは、顔認証の際に立ち止まる必要がないところが非常に画期的だ」と強調した。既に導入した米国の空港では10分程度、搭乗手続きが短縮できているという。

 成田空港が導入する顔認証「OneID」では、チェックインの際に、搭乗者の同意を得た上で顔写真を撮影。パスポートの顔写真、チケットの情報、撮影した顔写真を連携させてIDを作成する。その後、従来ではチケットなどを提示して本人確認が必要だった、手荷物預け入れ、保安検査場入り口、搭乗ゲートの3カ所で、自動的に顔の撮影と作成したIDを活用した本人確認が行われるため、歩いて通り抜けることが可能になる。顔認証技術はNECの技術を活用。日本航空や全日本空輸の協力を得て実施する。羽田空港でも同時期の導入が検討されているという。

 顔認証は、昨年、米アトランタ国際空港、シンガポールのチャンギ国際空港で行われている。アトランタでは、従来より10分ほど手続き時間が短縮できているという。
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