日本企業の機械受注が鈍っている。内閣府が18日に発表した機械受注額の1〜3月の見通しは、「船舶・電力を除く民需」が2018年10〜12月比で1.8%の減少。予想通り前期を下回れば、2期連続のマイナスとなる。米中貿易戦争などを受けた海外経済の減速懸念が企業の投資心理を下押しし、想定以上の速さで機械受注に影響が出つつある。

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「マザーマシン」の生産は歴史的な伸びが続いている

受注額の見通しは内閣府が企業への調査を集計し、四半期ごとに次の四半期の見通しを算出している。船舶・電力を除く民需の受注額は18年10〜12月に前期比4.2%減と落ち込んだ。内閣府は今後も受注額が上方に振れるとは「見通しづらい」とみており、基調判断を「足踏みがみられる」に下方修正した。

低迷が目立つのは製造業からの受注だ。受注額は18年10〜12月が6.2%減。19年1〜3月も2.2%減を予測している。SMBC日興証券の宮前耕也氏は企業の慎重姿勢の背景に「日米通商協議を含めた貿易摩擦への懸念と世界経済減速への警戒」があるとみる。

工作機械大手の担当者は「昨年12月に入ってアジアからの受注が落ちてきた。貿易戦争、景気循環の両面が投資心理を冷やしている」と警戒。「業界では、昨秋ごろがピークだったとの声が出ている」と言う。

内閣府の受注額予想に対する実際の受注額を示す「達成率」は18年10〜12月が94.3%。消費税率が5%から8%に上がり消費が大きく落ち込んだ14年4〜6月(90.2%)以来の低い水準。達成率は急速に低下した。

一方、18年の暦年でみれば、電力・船舶を除く民需の受注額は10兆5100億円と10年ぶりの水準となった。年後半の低迷を7〜9月までの堅調な受注が補った。

2019/2/18 13:13
日本経済新聞
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