15日の東京株式市場で日経平均株価は続落した。終値は前日比239円08銭(1.13%)安の2万0900円63銭で、心理的節目の2万1000円を3日ぶりに下回った。昨年12月の米小売売上高が市場予想に反して減少し、米景気懸念から前日の米ダウ工業株30種平均が下落した流れを引き継いだ売りが優勢だった。トランプ米大統領がメキシコ国境の壁建設のために「非常事態」を宣言する方針が伝わり、米政治が混迷するとの懸念も投資家心理を悪化させた。

今週の日経平均は前日まで800円あまり上昇しており、前日の米株安をきっかけに国内機関投資家などが利益確定売りを急いだとの見方があった。中国国家統計局が15日発表した1月の卸売物価指数(PPI)が2年4カ月ぶりの低い伸びとなり、中国経済の減速懸念から上海や香港などアジアの主要株価指数が下落したことも日本株の売りを促した。

トランプ氏が非常事態を宣言すれば、野党・民主党の反発は必至とあって、市場では「下院の多数派を握る『ねじれ議会』の下で、経済政策運営が停滞しかねない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長)との懸念が聞かれた。15日まで開かれる米中貿易交渉の閣僚級協議の動向を見極めたいとの雰囲気も強かった。

朝安後は安い水準ながら底堅く推移した。日経平均の5日移動平均(前日時点で2万0846円)が下値支持として意識されたほか、日銀による株価指数連動型上場投資信託(ETF)買いの思惑も相場全体を下支えした。

東証1部の売買代金は概算で2兆2326億円、売買高は12億7782万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1311、値上がりは726、変わらずは92銘柄だった。

東証株価指数(TOPIX)は反落し、前日比12.52ポイント(0.79%)安の1577.29で終えた。JPX日経インデックス400も反落し、終値は同117.85ポイント(0.83%)安の1万4007.58だった。

ソフトバンクグループ(SBG)や任天堂、ファストリが売られた。前日に決算を発表した銘柄のうち山パン、電通の下げが目立つ。一方、ソニーが小幅に上昇し、スルガ銀が今後の業績回復期待から急伸した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2019/2/15 15:24
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_V10C19A2000000/