宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日午前9時50分、小型ロケット「イプシロン」4号機を内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)から打ち上げた。民間企業や大学などが開発した7基の小型衛星を初めて搭載した。打ち上げから70分後までに衛星を分離する。

https://www.nikkei.com/content/pic/20190118/96958A9F889DE6E2E3E4E2E1E1E2E3EAE2E3E0E2E3EBE2E2E2E2E2E2-DSXMZO4016112018012019000001-PB1-5.jpg
上昇する小型ロケット「イプシロン」4号機(18日午前、鹿児島県肝付町)=共同

民間企業の宇宙開発参入を促す宇宙活動法が2018年11月に施行されて初の打ち上げとなる。小型衛星は価格が安くて開発期間が短いため、新興国や民間企業からの需要が見込まれる。複数の小型衛星の打ち上げに成功すれば、商用打ち上げの実現に向けて追い風になりそうだ。

午前7時すぎ、機体を載せた発射台が整備塔から姿を現し、ゆっくりと発射位置まで移動した。関係者や見学者らが見守るなか飛び立った。

イプシロンはパソコンによる管制システムなどを導入し、小型衛星を安価に打ち上げるために開発された。これまでに2013年、16年、18年に打ち上げに成功したが、いずれも搭載した衛星は1基だけだった。

4号機は全長26メートル、重さ95.6トン。初めて複数の衛星を載せた。52分後、高度514キロメートルで小型衛星を分離した。この衛星はJAXAが民間企業や大学などから公募した様々な実験装置を載せており、実際に宇宙で使えるかどうかなどを試す。

その後、小刻みに高度を変えながら、残りの6基を順次、軌道に投入する。この中には、ベンチャー企業のALE(エール、東京・港)が開発した人工的に流れ星を発生させる衛星がある。

関連ページ(搭載された小型衛星について詳細あり)
革新的衛星技術実証1号機|JAXA|研究開発部門
http://www.kenkai.jaxa.jp/kakushin/kakushin01.html

関連動画(カウントダウン1分前から)
革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機打上げライブ中継 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=KPWAhaAATWc&;t=1760

2019/1/18 9:34 (2019/1/18 10:47更新)
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40160330Y9A110C1000000/