内閣府が10日発表した2018年11月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.9ポイント低下の103.0だった。低下は2カ月ぶり。9月は台風などの災害で生産や出荷が落ち込んだが、10月は挽回生産などで前月比で大幅な上昇となっていた。11月は「10月の反動が出た」とみている。

内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「足踏みを示している」に据え置いた。一致指数を構成する9系列中、速報段階で算出対象になる7系列すべてが指数のマイナスに影響した。

鉱工業用生産財出荷指数や生産指数(鉱工業)などのマイナスが目立った。10月に大きく上向いた鉄鋼や電子部品などが11月は反動で落ち込んだ。商業販売額も振るわなかった。内閣府は「9月から自然災害の影響で振れが大きくなっていたが、今後は落ち着いていくだろう」としている。

数カ月後の景気を示す先行指数は0.3ポイント低下の99.3と2カ月ぶりに低下した。景気の現状に数カ月遅れて動く遅行指数は0.4ポイント上昇の104.0だった。

CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気動向の大きさやテンポを表し、景気の現状を暫定的に示す。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2019/1/10 15:28
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL10HEK_Q9A110C1000000/