残念ながら、アメリカは実業の力がだんだん落ちてきています。これも極めて驚くべき統計だと
思うのですが、ハーバード・ビジネス・スクールの私のよく知っている先生のハーバード・ビジネス・
レビューの記事からのグラフを見ますと、右側の統計は、アメリカのハイテク製品における貿易収支
ですけれども、長い間、アメリカの貿易収支は赤字です。ただ、その中で、「安いものは中国に
つくらせて、付加価値の高いもの、イノベーションを必要とするものはアメリカで抱えて、
イノベーション・エコノミーでやります」というふうにみんなが言うのですが、実はハイテクの
製品も、今、五百億ドルぐらいのかなり大きな貿易赤字に転じている。このハーバード・ビジネス・
スクールのテクノロジー&オペレーションズ・マネージメントの先生に言わせますと、「数十年に
わたる製造の外注の末、アメリカの産業には、経済の再構築のカギとなる次世代ハイテク製品を
発明する能力が欠けている」と。これは極めて恐ろしい現実だと思います。

http://davidjamesbrunner.org/wp-content/uploads/2014/01/2011-05-20-Koujun-Magazine-Brunner-lecture.pdf