華為技術(ファーウェイ)日本法人の王剣峰(ワンチエンフォン)社長は27日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。日本政府が同社などの排除を念頭に、安全保障上のリスクを減らす政府調達の運営が申し合わせたことについて、「政府や顧客と協力してサイバーセキュリティーへの懸念を解消したい」と述べた。

 政府は情報通信機器の政府調達の際、サイバー攻撃などのリスクを減らす運用を10日に申し合わせた。米国が警戒する華為や中興通訊(ZTE)の製品を政府調達から排除する狙いとみられる。王氏は「現時点で特定の会社に向いたものではない」との見方を示す一方、「総務省や経済産業省とやり取りをしている」と述べた。

 王氏は「政府とキャリア(通信事業者)、社会一般が安全とプライバシー保護に関心を持つのは正常なことだ」と指摘。その上で「我々は独立した第三者の安全評価機構を使うなど、同業他社より多くの対策をしている」と強調。懸念は当たらないとの見方を示した。

 総務省は携帯大手に対し、次世代移動通信方式「5G」の基地局を作る際、この申し合わせに留意するよう求めることを決めた。楽天は中国製品を使う予定はないとしており、ドコモも使わない見通しだ。

 王氏はこれについて、華為が5Gについて世界で26の契約を結び、すでに1万の基地局を発送したことを公表。その上で「リーダー企業を競争から排除しても、サイバーセキュリティーの懸念は解決できない。新技術の導入を遅らせ、最後は消費者に大きな負担をかける」と述べた。

 米国は華為と中国政府や軍との…

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2018年12月28日05時58分
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