E190-E2、羽田に初飛来 MRJ最大のライバル、静かに着陸
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リージョナルジェット機世界最大手であるブラジルのエンブラエルが開発した最新型機E190-E2の
飛行試験機(登録番号PR-ZGQ)が10月15日夕方、羽田空港へ初飛来した。機首にはサメが描かれた
特徴的な外観で、MRJにとって最大のライバルが姿を現した。
【静かに着陸】
エンブラエルはE190-E2のワールドツアーを実施中で、12日夜に台北(松山)から関西空港へ到着。
E2シリーズ初の日本着陸地は関空となった。13日は伊丹へフェリー(回航)されて空の日イベント
「エアポートフェスティバル」に参加し、15日午後4時8分に羽田のA滑走路(RWY34L)へ着陸した。
着陸時はしばらく滑空し、静かに接地。旧整備場地区にあるビジネスジェットが主に使うスポット(駐機場)へ向かった。
16日は航空会社などの関係者を乗せ、遊覧飛行などを行う見通し。
今回飛来した機体は、7月にロンドン近郊で開かれた世界最大規模の航空ショー「ファンボロー航空ショー」に
出展されたもので、機首にサメを描いている。エンブラエルは、E2シリーズのキャッチフレーズとして
「プロフィット・ハンター」を掲げており、昨年のパリに出展したE195-E2(PR-ZIJ)の機首にはイヌワシ、
今年3月開催のシンガポール航空ショーに出展したE190-E2(PR-ZFU)にはトラを描いていた。
【MRJのライバル】
E190-E2は、3機種で構成する次世代リージョナルジェット機「E2シリーズ」のうち、最初に実用化した機体で、
今年4月から納入を始めた。従来のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」の後継機で、
E175-E2とE190-E2、E195-E2からなる。新型エンジンや新設計の主翼、主脚の格納した際のドアなどで、燃費を向上させた。
メーカー標準の座席数は、E190-E2が1クラス106席、2クラス97席。2019年から顧客への引き渡しを計画しているE195-E2が
1クラス146席、2クラス120席、2021年に引き渡しを始める予定のE175-E2は1クラス88席、2クラス80席となる。
E195-E2はE195より座席を3列、E175-E2はE175より1列増やした。
E2のエンジンは、三菱航空機が開発を進めているリージョナルジェット機「MRJ」と同じく、低燃費と低騒音を特徴とする
米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製GTFエンジンを採用。推力の違いにより、E175-E2がPW1700G、
E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載する。低燃費や低騒音など、E2シリーズはMRJにとって最大のライバルになる。
座席数で比較すると、E175-E2は1クラス92席の「MRJ90」と競合する。
一方、エンブラエルには1クラス78席の「MRJ70」にあたる次世代機が存在しない。

日本の航空会社でE2シリーズの採用を決定した航空会社はないが、Eジェットは日本航空(JAL/JL、9201)グループで
地方路線を担うジェイエア(JAR/XM)や、鈴与グループのフジドリームエアラインズ(FDA/JH)が採用している。
座席数で比較すると、E175-E2は1クラス92席の「MRJ90」と競合する。
一方、エンブラエルには1クラス78席の「MRJ70」にあたる次世代機が存在しない。