2018/9/13 5:02 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35302220T10C18A9000000/?nf=1

 【ワシントン=鳳山太成】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は12日、ムニューシン米財務長官が中国に貿易問題を巡る閣僚級協議の再開を打診したと報じた。米政権が制裁関税の第3弾を準備する中、米国の要求に中国が応じる余地があるか改めて探るという。閣僚級協議を開けば6月以来となるが、貿易摩擦の緩和につながるかは不透明だ。

 同紙によると、ムニューシン氏が劉鶴副首相に送った書簡で閣僚級協議を開くことを提案した。数週間以内にワシントンか北京で会談することを想定しているという。

 トランプ米政権は技術移転の強要などの知財侵害や、ハイテク産業などへの過剰な補助金をやめるよう求めてきた。こうした要求の受け入れに中国側は消極的だ。

 対中穏健派で貿易戦争による経済への悪影響を懸念するムニューシン氏は、中国との対話に前向きな姿勢を示してきた。ただ制裁関税は対中強硬派の米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が担当する。現在、、2千億ドル(約22兆円)分の輸入品に課す追加関税の詳細を詰めている。

 ムニューシン氏は5月の協議後に制裁関税を棚上げすると発言したが、ホワイトハウスが後に関税を発動すると改めて表明した。その後互いに計500億ドル分に関税をかけ合った。米中は8月下旬に事務レベル協議を開いたが、目立った進展はなかった。