日銀が10日発表した7月の国内企業物価指数(速報値、2015年平均=100)は101.8となり、前年同月と比べて3.1%上昇した。上昇率は8カ月ぶりの高い水準で、19カ月連続で前年同月を上回った。原油相場の上昇を受けた石油関連品目の値上がりが影響した。

 前年比上昇率は6月確報値から0.3ポイント拡大し、3カ月連続で伸びが拡大した。

 品目別では、石油・石炭製品が前年同月比26.6%上昇した。農林水産物も同4.3%上昇と伸びが目立った。西日本豪雨や猛暑が影響した。

 非鉄金属は同5.1%上昇と、6月の10.4%上昇から伸び率が縮小。中国経済の鈍化懸念から銅市況が悪化した。

 日銀は「米中貿易摩擦が国際商品市況に与える影響を注視する」(調査統計局)としている。

 調査対象744品目のうち価格が上昇したのは406品目、下落は260品目だった。企業物価指数は出荷や卸売り段階で取引される製品の価格を調べたもので、消費者物価指数(CPI)を先取りする傾向がある。

2018/8/10 11:00
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34037510Q8A810C1EAF000/