イランのロウハニ大統領は25日、閣議承認を経て、イラン中央銀行の総裁にヘンマティ氏を指名した。5月の米国によるイラン核合意離脱表明前後から通貨リアルが急落。地元メディアによると、前任のセイフ氏の責任を追及する声が広がっていたことが背景にあるという。

8月上旬には米制裁の一部が再発動されて国内経済の一層の悪化が懸念されるのを前に、的確な金融政策を実行できる態勢を固めたいとの思惑もあるとみられる。

ヘンマティ氏はイラン国営メリ銀行のトップなどを務めた経済通で、駐中国大使に内定していたが、中央銀行総裁への指名に伴い取り消された。

セイフ氏を巡っては、米財務省が5月に独自制裁の対象に指定。イランの影響下にあるレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの活動を支援するため、セイフ氏が数百万ドル(数億円)をひそかに送金したと非難した。

2018年7月26日 0:22 日本経済新聞
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