世界最大級の航空展示会「ファンボロー国際航空ショー」が16日、ロンドン近郊のファンボローで開幕する。三菱航空機(愛知県豊山町)は国産ジェット機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」のフライトディスプレー(飛行展示)を実施する。買収合戦を繰り広げる米ボーイングと欧州エアバスが打ち出す戦略も注目だ。

MRJは16日午後に英国の空を舞う予定。最初の顧客「ローンチカスタマー」である全日本空輸の青の塗装を施した機体が、会場のファンボロー空港の上空を飛ぶ。世界から集まる航空会社などに開発状況をアピールする。2017年のパリ国際航空ショーでは実機の展示だけだった。米国で6月、飛行試験を報道陣に公開していた。

格安航空会社の成長などで、需要拡大を期待できる小型機市場の陣取り合戦も注目。7月上旬にエアバスがカナダのボンバルディアの新型小型機「Cシリーズ」を買収。競い合うようにライバルのボーイングがブラジルのエンブラエルと小型旅客機事業の買収で合意した。

エアバスは早速、Cシリーズを自社ブランドの「A220」に改称し、会場で新ファミリーの機体をお披露目する。MRJ最大のライバルとなるエンブラエルは次世代RJ機「E190―E2」を展示する。

次世代の空のモビリティー技術競争もショーでみられそうだ。ボーイングは音速の5倍の速度で飛行する「極・超音速機」のコンセプトを披露する予定。米航空機開発ベンチャーのブームも開発中の超音速機構想を訴求する。活気づく「空飛ぶタクシー」を巡る動きもありそうだ。

2018年7月16日 2:00 日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO33023580V10C18A7TJC000?s=1