NTTドコモが、平成32年春のサービス開始を表明している第5世代(5G)移動通信方式について、データの通信量が増加しても通信料金は引き上げない方向で検討していることが11日、分かった。5Gは現行規格よりも通信速度が早く、データ通信量も大幅に増加するが、利用者の利便性を考慮する。吉沢和弘社長が11日までに産経新聞のインタビューに応じ、明らかにした。

 5Gは通信速度が現行の主流規格の4Gの10倍以上になるため、データ通信量も速度に比例して飛躍的に増加する見通し。ただ、通信料金をデータの使用量に比例して増やせば、利用料金が大幅に高くなる。吉沢氏は「速度が10倍なら料金を10分の1、速度が20倍なら20分の1にできるように通信ネットワークの技術を高め、コストを削減しなければいけない」と強調した。

 現在、ドコモは個人向けにデータ通信量10ギガバイトのプランを6千円で提供しているが、5Gの場合は通信量が10倍の100ギガバイトのプランで、この水準を参考に料金設定するとみられる。ただ、法人向けサービスでは、「データ使用量に比例したものではなく、使用量とサービスを一体化した料金体系を検討したい」と述べた。

 吉沢氏は、32年春としている5Gのサービス開始時期については、来年秋のラグビーワールドカップ(W杯)の一部会場で利用できるようにし、半年ほど前倒しする考えも示した。
2018.7.11 23:07
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180711/bsj1807112307004-n1.htm