独中首脳会談にあわせて複数の独企業が9日、中国での投資拡大を発表した。化学大手のBASFは広東省に石油化学コンビナートを建設する。2030年までに100億ドル(約1兆1千億円)を投じる。BMWは中国での生産能力を約16%増やす。シーメンスは中国国有電力大手の国家電力投資集団やアリババ集団とそれぞれ提携することで基本合意した。

BASFが広東省に建設するコンビナートは同社として3番目に大きく、過去最大の投資案件となる。26年までに最初のプラントを立ち上げ、30年までに全体を完成させる。

BMWは華晨汽車集団との合弁会社の生産能力を19年に年間52万台と現在の45万台から増やすと発表した。20年から同合弁で生産する新型電気自動車(EV)「iX3」を中国外に輸出することも明らかにした。

フォルクスワーゲン(VW)は21年までに合弁相手の安徽江淮汽車集団(JAC)とEVの研究開発センターを設立することで基本合意。ダイムラーは清華大学と自動運転の共同研究を3年間延長する。

シーメンスは国家電力投資集団とガスタービンの共同開発で基本合意したほか、アリババとは工場のデジタル化で協力する。これまで中国で展開がすることが難しかったシーメンスのクラウドサービスを19年からアリババのクラウド上で使えるようにする。

米中が貿易戦争に突入し、米企業の中国投資への影響が懸念されるなか、独企業がこれまで以上に中国市場に期待をかけていることが浮き彫りになった。

2018年7月10日 1:42 日本経済新聞
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