https://japan.cnet.com/storage/2018/07/05/50b329b4442c155389d51a1c8da8820d/1806129_bizrdsc03737.jpg
人材サービスのビズリーチは4月、エンジニア・デザイナー職のスタッフを対象に、iMac Proを136台導入した。

iMac Proは、2017年12月に発売されたハイエンド向けのディスプレイ一体型のMacだ。プロセッサにはIntel Xeonを採用し、標準でも8コア、最大18コアを搭載する。画像のレンダリングやアプリケーションのコンパイルなどにもパワーを発揮するプロ向けの製品だ。

そうしたスペックとともに、1台55万8800円(税別)〜という価格でも話題になったことは記憶に新しい。それを、136台もの台数を導入した背景にはなにがあったのか。

ある日気づいたエンジニアの“待ち時間”
ビズリーチ 取締役の竹内真氏は、あるとき若手の開発メンバーが、モニタの前で考えごとをしているような、ちょっとした時間を過ごしている姿を見つけた。「なにか悩んでいるの?」と尋ねたところ、「ビルド中なんです」と返事が返ってきたという。

同社が「WEBフロント」と呼ぶエンジニアらは、日々プログラムを書き、コンパイルしてコンピュータが実行可能な形式に変更する。さらにコンパイル作業も含め、ファイルなどをパッケージングして実行形式を変える「ビルド」と呼ばれる作業が頻繁にある。その作業時間は、PCの性能によって大きく変わってくるのだ。

「修正して動くかどうか、といった確認のたびにビルド作業が発生する。その時間が、ちょっと一服して帰ってこようかなというタイミングもあり、以前よりも全般的に長くなっていると感じた」(竹内氏)。

開発環境のツールは、年々高度化している。ウェブサービスを作ろうとすれば、PhotoshopやIllustratorなど、複数のアプリケーションを同時並行して使う。バージョンが上がるにつれ、マシンの性能も必要になってくる。

 「デザインから画像を切り出し、プログラムに落とし込んでいく作業もある。画像処理やプログラミングもしながら、端末の中でサーバ環境を仮想的に立ち上げて、実行確認のテストすることもある」(竹内氏)。

ビズリーチは、転職サイトとして知られる「ビズリーチ」をはじめ、アジア全域を対象にしたビズリーチのアジア版「RegionUP」、20代向けの転職サイト「キャリトレ」など、HR×TECHの領域を中心としたウェブサービスを展開しており、それらはすべて内製で開発している。

 従来エンジニアとデザイナーにはMacBook Proを支給してきたが、希望者にはMacBook Proに加えて新たにiMac Pro(8コアの標準モデル)を導入。その結果、最初に気づいたスタッフのビルド時間は100秒から15秒へと6.67倍に短縮した。動画の製作のレンダリングにおいては、3時間から10分へと18倍に短縮するケースもあり、全体的に大幅に生産性が向上したという。
以下ソース
2018年07月06日 10時00分
https://japan.cnet.com/article/35121997/