6月7日、パナソニックがLet's note(レッツノート)の新製品発表に合わせて、新たな販売モデルとして「LCM(ライフサイクルマネジメント)」サービスを発表した。レッツノートのPC本体を、月額料金で利用できるという。
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ビジネスパーソンに人気のノートPCとして国内で成功を収めているレッツノートだが、なぜここへ来て新たな販売モデルを導入するのだろうか。

レッツノート本体を月額料金で提供
IDC Japanによる調査では、パナソニックは13インチ未満のモバイルPC市場において、14年連続でシェアNo.1を獲得している。特に2017年度は42万台を出荷し、22年の歴史で最高のセールスを記録したという。

2018年夏モデルとしては、順当な機能向上を果たした「Let'snote LV7」などの新製品を発表。さらに、レッツノートのPC本体に法人向けサービスを組み合わせ、月額料金で提供するLCMサービスを発表した。レンタルに近い位置付けになるという。

組み合わせるサービスとしては、導入時のキッティングサービスや、長期間の利用に備えたバッテリー交換サービス、データ消去サービスなどを基本またはアドオンとして提供。法人ユーザーによるPCの導入から廃棄まで、総合的にカバーできる見込みだ。

すでにパナソニックは、社内向けに40万台のPCを運用してきた実績がある。今回発表したLCMサービスは、これを一般の法人向けに展開していくものになるという。

実際にサービスを提供するのは、レッツノートを製造するパナソニックの神戸工場だ。ここでは法人ユーザーの要望に応じて、出荷前にPCをカスタマイズする作業も行っている。LCMサービスについても、神戸工場がワンストップで提供できるという。

具体的な月額料金は、機種や利用期間により変動するため、詳細は検討中としている。台数は1台単位で利用できる見込みで、PCの運用コストを下げたい中小企業に向けたサービスになりそうだ。

法人向けにPCを月額料金で提供するというビジネスモデルは、珍しいものではなくなりつつある。PCメーカーとしては2016年に日本HPが類似のサービスを発表しており、法人向けのレンタル事業者も続々と参入している。

背景には、ビジネスの現場で多数のPCを運用するにあたって、さまざまなコストを下げたいという需要がある。PC導入時のセットアップや、廃棄時のデータ消去を外注できるだけでも、現場の負担は軽減される。月額制なら、費用を平準化できるのもメリットだ。

加えて、「働き方改革」によるワークスタイルの多様化も追い風になっている。これまでPCメーカーは、据え置き用やモバイル用など、法人ユーザーの利用シーンごとに製品をラインアップしてきた。だがワークスタイルが流動的になれば、PCも柔軟に持ち替えたいはずだ。

ほかにもパナソニックは、2018年2月から「働き方改革支援サービス」として、PCの使用時間やアプリを記録し、可視化するサービスを提供している。これもLCMサービスにアドオンとして追加できるようだ。
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