MM総研は、国内MVNO市場の推移を調査し、2018年3月末の実績を発表した。

 調査によると、2018年3月末時点で独自サービス型SIMの契約数は1082.8万契約となり、2017年3月末の810万契約から1年間で33.7%増となった。同調査で独自サービス型SIMの契約数が1000万契約を突破したのは初めて。
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携帯電話契約数に占めるシェアは6.4%に増加、成長は鈍化
 2018年3月末時点で日本国内全体の携帯電話契約数は1億6870.5万回線で、MVNO独自サービス型SIM契約数は全契約数の6.4%を占める。2017年3月末時点の5.0%と比べて1.4ポイント増加したが、2016年3月末から2017年3月末では1.6ポイント増加したため、成長は鈍化していると分析する。

 MVNOの独自サービス型SIMの成長が鈍化した理由として、同社ではMNOおよびサブブランドによる攻勢が主因と分析。対象機種の購入で毎月1500円を割引するドコモの「docomo with」、実際に使用したデータ量によって料金が変動するKDDIの「au ピタットプラン」のほか、ソフトバンクはサブブランド「Y!mobille」を通じた低価格戦略で、MNO各社がMVNOに好意的なユーザーを獲得しているという。

 MNOおよびサブブランドの攻勢により、個人向けスマートフォンの用途ではMVNO契約の伸びが鈍化したが、IoT用途の需要は2019年度以降に本格的な需要期を迎えるとMM総研は予測している。
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楽天モバイルがシェア1位、UQが100万回線越え
 事業者別のシェアでは、楽天(楽天モバイル)が1位となり15.0%、契約数は162.2万回線。2位はインターネットイニシアティブ(IIJmio)で13.6%、契約数は147.8万回線。3位はNTTコミュニケーションズ(OCN モバイル ONE)で11.0%、契約数は119.6万回線。4位はUQ コミュニケーションズ(UQ mobile)で9.3%、契約数は100.8万回線。5位はケイ・オプティコム(mineo)で9.2%、契約数は99.2万回線。
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楽天が初のシェア1位となった背景として、プラスワン・マーケティングが提供していたMVNOサービス「FREETEL」事業を楽天が買収したことや、楽天が2019年にMNOとしてサービス参入を計画するにあたり、販売店の拡大によってシェアが拡大している。

 2位になったインターネットイニシアティブや、3位のNTTコミュニケーションズは、自社ブランドで提供するMVNOサービスだけでなく、MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)事業を含めたシェアで上位にランクインしている。

 そのほか、ビッグローブが2017年1月にKDDIの子会社となったほか、LINE モバイルも2018年4月にソフトバンクの子会社となるなど、従来の「キャリア対MVNO」という構図が崩れ、キャリア戦略下におけるMVNOという構図に変容しつつあると同社は分析する。
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