18日午前7時58分ごろ、大阪府北部で震度6弱を観測する強い地震があった。気象庁によると、震源の深さは13キロで地震の規模はマグニチュード(M)6.1。広い範囲で人的・物的な被害が生じており、大阪市で1人が死亡したほか同府高槻市で1人が心肺停止となっている。近畿圏では鉄道運休が相次ぎ、水道管の損傷やガスの供給停止が起きるなど都市機能がまひ。企業活動に影響が出ている。

大阪府内で震度6以上を記録したのは1923年の観測開始以来初めて。この地震で津波の心配はないという。気象庁は「今後2〜3日は規模の大きな地震が発生することが多くある」として注意を呼びかけている。同庁は当初地震の規模をM5.9と速報していたが修正した。

警察庁などによると、大阪市で死亡したのは東淀川区の80代男性で、家屋の倒壊に巻き込まれた。高槻市では9歳の小学生女児が登校中、倒れてきた学校のプールの壁に挟まれて心肺停止の状態。総務省消防庁によると午前10時30分現在、大阪府と兵庫、滋賀両県で負傷者が計44人出ている。3府県内で住宅、工場など計20件の火災が発生した。

JR東海と西日本によると、東海道新幹線は設備点検の影響で米原―新大阪間で運転を見合わせた。山陽新幹線は新大阪―岡山間の上下線で運休しており、再開のめどは立っていないという。

在来線も近畿圏の広い範囲で運転をとりやめた。阪急電鉄、阪神電鉄などの私鉄各線や大阪メトロなどで運休が相次ぎ、鉄道ダイヤに大きな乱れが出ている。

関西電力によると、大阪府と兵庫県で一時計約17万戸が停電。大阪ガスは高槻市と茨木市の一部で約10万8千戸のガス供給を停止した。ビルやマンションなどのエレベーターへのとじ込め、水道管破裂も相次いだ。

西日本高速道路(NEXCO西日本)は大阪府中心のエリア、阪神高速道路は全線でそれぞれ点検のため通行止めにしている。事故や被害の情報は入っていない。
2018/6/18 11:07更新
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31885600Y8A610C1000000/