かつて汚く罵り合っていたアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金委員長が
「世紀の会談」を開いて朝鮮半島情勢に大きな変化の兆しが見えつつある中、
アメリカの著名投資家であるマーク・モビアス氏は
「北朝鮮はとてつもなく大きな投資のチャンスになる」とインタビューで語っています。

Investment guru Mark Mobius says North Korea presents a ‘tremendous opportunity’
https://www.cnbc.com/2018/06/12/investment-guru-mark-mobius-says-north-korea-presents-a-tremendous-opportunity.html

アメリカの大手運用会社「フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ」で
新興国投資チームの会長を務めるモビアス氏は、北朝鮮のインフラ状況と地下資源にまず注目し、
将来性を見いだしているとのこと。北朝鮮の人口は2500万人であり、これを韓国の人口5000万に加えることで、
市場規模が一挙に1.5倍になるためです。

モビアス氏はこの状況について、「それは大きなマーケットになるでしょう。
そして私にとってもっとも興味深いことは、
北朝鮮が韓国、中国、そしてロシアとのつながりを持つという状況です。
これにより、韓国から北朝鮮を通って中国やロシアへとつながる鉄道や道路の交通網が作られることになるためです。
これはとてつもないビジネスチャンスです」と語ります。

これまで北朝鮮の潜在性について述べてきた経済アナリストは、数が多く、
統制がとれ、比較的安価な北朝鮮の労働力に注目することが多かった一方で、
他国と距離を置いてきたことによる影響で西側諸国に経済的に追いつくことができるのかを疑問視する声があったとのこと。

モビアス氏は、北朝鮮の基礎体力に関して確固たる評価を持っている模様。
「北朝鮮は非常に早く追いついてくるでしょう。
なぜなら、北の教育的背景が良く、しかも核兵器を開発できるだけの能力があるためです。
そのため私は、北朝鮮は他の国に非常に早く追いつくこと、
そして韓国がそれを手助けすると考えています」と述べています。

また、モビアス氏が同様に注目しているのが、北朝鮮の国土に眠っている地下資源です。
ソウルにある北朝鮮研究機関が2013年に発表した調査結果によると、
北朝鮮には6兆ドル(約660兆円)レベルの鉱物資源が埋まっているとみられています。

しかし一方で、その資源を活用するだけのインフラが整っていないという状況も存在しているとのこと。
掘り出した鉱物資源を精製して輸送するためには物流網が不可欠ですが、
北朝鮮にはその整備が全く進んでおらず、
まずはこの部分に手を付けないことには物事が進まないという状況があるといいます。

それでもなおモビアス氏は、北朝鮮の「伸びしろ」にビジネスチャンスを見いだしている模様。
良くも悪くも「手つかず」で「未開の地」だった北朝鮮が本格的に解放され、
経済が発展して国が豊かになれば、豊富な資源を背景に大きく成長する可能性を語っています。

https://i.gzn.jp/img/2018/06/16/north-korea-tremendous-investment-opportunity/00_m.jpg

GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180616-north-korea-tremendous-investment-opportunity/