>>3 から続く

――貿易問題がもたらす下振れリスクについてどう考えるか。

 「自分の車線に集中している。貿易は、議会が行政府に明確に権限を付与しており、我々は貿易政策に役割を果たすつもりはない。ただ、我々は企業から情報を得る接点を全米に持っており、そこから得た情報は議事要旨に報告する。貿易の変更が混乱をもたらすとの懸念が聞かれる。しかし、その混乱を示す数字はまだ見られない。経済は様々な面で非常に強い」

 ――長短金利差の縮小をどう考えるか。長期金利の上昇が遅いのをどうに説明するか。

 「長短金利差は、FOMC参加者を含め人々が話題にしており、いろいろな見方がある。議論は要するに、適切な政策とは何か、中立金利に近づくにつれて政策をどうすべきかということだと私は考えている」

 「金利差縮小の理由はFF金利が上がっているからだが、難しい問いは、長期金利に何が起きているかということだ。長期金利を動かすものはたくさんある。しかし、最終的に我々が気にかけるのは、何が適切な政策スタンスであるかということで、中立金利がどこかについて長期金利の中にシグナルがあるかもしれないということだ。それが人々が金利差に注目する理由だと思う」

 ――企業が高い価格で株を購入しており、消費者の負債も増えている。信用バブルが起きていないか。

 「家計に過剰な信用の増加は起きていないし、銀行資本はかなり高まっている。金融以外の企業は歴史的にみれはやや高い信用水準にあるが、債務不履行は低く、金利も低い。金融以外の企業については注視している」

 ――将来の景気後退に備えて利下げの幅を作ることを考えて追加利上げを行った面はないか。

 「そのような考え方はまったくない。利上げを急ぎすぎれば景気後退の可能性を高めるだけで、それはまさに避けたいことだ。低金利に戻ることを心配するなら、リスク管理の観点からみれば、ややゆっくり利上げを行い、我慢することだ。それが超低金利から離れるための持続可能な戦略である可能性が高い。我々は現在、十分に超低金利から離れており、リスクはほぼ均衡していることから、成長を持続し、労働市場の強さを維持し、インフレを2%付近にとどめるために、経済に何か必要かを見ているところだ」