イタリア政局の混乱受け、米連邦準備理事会(FRB)が年内は
あと3回の利上げを実施するとの予想が後退している。
イタリアの政治的な混乱は欧州の経済成長に対する脅威になるとの懸念が出ていることが背景。

CMEグループのフェドウォッチによると、フェデラルファンド(FF)金利先物FFZ8FFF9は、
FRBが年末までにFF金利誘導目標を2.25─2.50%に引き上げる確率は
13%であることを示す水準にある。この確率は前週25日が32%、1週間前は51%だった。

6月12─13日の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBがFF金利誘導目標を引き上げる確率は74%。
前週25日は90%、1週間前は100%だった。

イタリアでは暫定首相に指名されたカルロ・コッタレッリ氏が組閣に向け主要政党の支持を取り付けられず、
早ければ7月29日にも再選挙が実施される可能性が浮上している。
こうした中、イタリア2年債IT2YT=RR利回りはこの日の取引で2013年終盤以来の水準に上昇。
外為市場でユーロは約11カ月ぶりの安値を付けた。

イタリア再選挙に対する懸念で投資家信頼感が損なわれれば、ユーロ圏経済成長がさらに抑制される恐れがある。
アナリストの間では、こうした事態を受けて欧州中央銀行(ECB)が債券買い入れ策の終了を延期すれば、
FRBが年内あと3回の利上げを実施する公算も小さくなるとの見方が出ている。

レイモンド・ジェームズ(メンフィス)のシニア市場ストラテジスト、
エリス・ファイファー氏は「イタリアが危機に向かっているとの見方をECBが示せば、
FRBは直ちに利上げペースを緩める」と予想。

オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)の米国マクロ経済部門責任者、
グレゴリー・ダコ氏は「FRBが6月に利上げを実施することは経済情勢で正当化されている」とし、
「その後どうするか、FRBには様子を見るという選択肢が残されている」としている。

Reuter
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