5月末に経団連会長に就任する中西宏明・日立製作所会長は24日、都内で開催された講演会で、日本経済の持続的な成長に向けて「産官学でデジタル化の様々な施策を推進し、顧客とともに変化と新しい価値を作っていくことが重要だ」と述べた。

 そのうえで「変化を一生懸命追いかけて迅速に動くことで成長できるというのが高度経済成長期はあったが、新しい競争者も出てきてそれだけではもうダメだ」と言及。データやデジタルを活用し産官学が一体となって変化と価値を創造していく必要性を強調した。

 講演会はイノベーションの創出によって新たな社会を造る「『Society(ソサエティー)5.0』の実現」がテーマ。中西氏は2009年3月期の巨額の最終赤字計上後の10年4月に日立社長に就任。講演会では薄型テレビ事業からの撤退や自動車機器関連事業の再建、HDD事業再建後の売却などで選択と集中によるV字回復を果たした日立の取り組みを交えて紹介した。そのうえで「今後はデータやデジタルを活用し現場の実態やニーズを見える化し、顧客とともにイノベーションを起こしていく必要がある」との見解を示した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

(スレ立て依頼から)
2018/5/24 14:27
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL24HQ0_U8A520C1000000/