スマートフォンと無線でつなぐワイヤレスイヤホンの売れ行きが好調だ。米アップルがiPhone(アイフォーン)から有線用の差し込み口をなくし、専用の無線イヤホン「AirPods」を発売したことから各社が相次いで新製品を投入。人気が出て市場が拡大している。

特に人気が集まっているのは左右のイヤホンをつなぐケーブルもない完全ワイヤレス型だ。調査会社BCNによると、販売されたイヤホンに占める割合は2018年1〜3月で8%弱まで拡大し、市場全体を牽引(けんいん)している。

特徴のある製品も増えている。ソニーモバイルコミュニケーションズは4月21日、耳を塞がず周囲の音を聞きながら音楽を聴ける新製品を発売した。イヤホンの中心がドーナツ状の空洞になっており、装着していても駅のアナウンスや呼び掛けを聞き逃さない。開発担当者は「ストレスなく、いつでも音楽が楽しめる」と話す。

スポーツ中に音楽を聴くために購入する人も多く、防水機能を重視した製品も増えている。米音響機器メーカーのBOSE(ボーズ)が昨年11月に発売した「SoundSport Free(サウンドスポーツ フリー)」などが人気だ。

ワイヤレスイヤホンの多くはマイクを搭載しており、アプリを使えば声による電話の発信や通話もできる。スマホを通して複数人が会話する「グループチャット」など利用シーンは広がっており、さらに人気が高まりそうだ。
2018.5.19 06:00
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180519/bsb1805190500001-n1.htm