DIAMOND online 2018.5.18
http://diamond.jp/articles/-/170217

外食花盛りのいま、新鮮な魚を提供する飲食店も増えてきた。せっかく訪れるなら、おいしい魚を
食べたいと思うものだが、実は「メニューの選び方」次第で、おいしい鮮魚にありつけるかどうかが
決まることが多いという。漁師の息子として生まれ、築地の卸で働いた経験を持つなど魚の事情に精通している
“おさかなコーディネーター”のながさき一生さんが、飲食店でおいしい魚を食べるためのメニュー選びの
コツを紹介する。


魚のおいしい飲食店は、「魚の回転」が早く、その日限定メニューがある

 東京都中央区月島にある「魚仁」。私が魚のおいしい飲食店の典型例と思っている大衆居酒屋だ。
開店直後から店は満席状態、客足が途切れない人気店で、この人気がさらに店の魚を美味しくしている。

 食材としての魚の特徴を一言でいうなら、「変化が非常に激しい」こと。仕入れた当初に新鮮だった魚も
店に長く置いておくと、あっという間に鮮度が下がってしまう。これに対して、「魚仁」では常に客足を
途切れさせないことで、鮮度が下がる前に魚を提供する。すると、翌日にはまた次の新鮮な魚を仕入れられるように
なるのである。このような状態を私は、「魚の回転が早い」と表現している。

 また、「魚仁」はオーダーしてから提供までのスピードがとにかく早く、このことも「魚の回転が早い」
要因となっている。

 魚という食材を語る上でもう1つ外せない特徴は、「種類の多さ」だ。日本に流通している魚介類は、
主なものでも30種類ほど、全体では500種類弱ともいわれ、冷凍や干物など様々に加工されている。
さらに、漁に出たり出なかったりということがあるため、アジが良い日もあればサバが良い日もあるといった具合に、
これら多くの種類の食材の状態は毎日コロコロと変わる。

 魚がおいしい飲食店は、この状況に臨機応変に対応し、その日一番の良い魚を選び、一番良い方法で
提供できる術をわきまえている。「魚仁」でいえば、看板メニューの「親父のおまかせ盛」は、
日によって出てくる魚が変わる臨機応変なメニューだ。さらに、常連でなくとも普段のメニューにない
その日限定の魚料理を店員がすすめてくれる。

 このように、「魚の回転が早くて、臨機応変」な点こそが、魚がおいしい飲食店に欠かせない特徴なのだ。

 では、「魚仁」に限らず、入った飲食店の中からおいしい魚料理を選ぶためには、何に気をつけたら
いいのだろうか。ここからは、飲食店で魚を食べる際に絶対に押さえておきたいルール3つをご紹介する。


(続きは記事元参照。全3ページ)