日本郵便が、はがきや封書などの郵便物について6月末で法人向けの集荷サービスを廃止する方針を固めたことが11日、分かった。宅配便「ゆうパック」など小包の集荷は継続する。インターネット通販などの拡大に伴うゆうパックの取扱量増加で人手不足が常態化する中、無料で実施してきた郵便物の集荷を継続するのは困難と判断した。既に年明けから、集荷を利用してきた法人顧客への通知を始めているが、顧客から不満も出そうだ。

「郵便物の集荷見直し等についてのお知らせ(お願い)」と題された通知文書には「安定的なサービスのための十分な配達員確保に向けた見直しが必要」とした上で「集荷を取りやめさせていただきたく、お願い申し上げます」と記載されている。

ただ、「同意いただけない場合は6月30日をめどに集荷を終了させていただく」と、一方的な終了を明記しているほか、日本郵便が、ホームページなどに集荷の終了や終了後の対応策を告知していないため、利用者に混乱が生ずる可能性がある。

郵便物の集荷は、大量の郵便物をポストや郵便局に運ぶのが困難な法人顧客などを主な対象として、郵政民営化前から郵便局が無料で実施してきた。

しかし、日本郵便では昨年から、人手不足による人件費の高騰を受けてコスト削減のために集荷の見直しを検討。「お中元」配送の繁忙期の7月は人手不足に拍車がかかり遅延などのトラブルも予想されるため、その前の6月末を集荷の終了時期とすることを決めた。

ただ、現場の状況を踏まえ、実際の集荷の終了時期は郵便局の判断に任されているため、6月末より前倒しで終了を顧客に通知している場合もあるという。
2018.5.12 06:14
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180512/bsj1805120500002-n1.htm