シャープの戴正呉(たい・せいご)社長が平成31年度まで社長を続投する意向であることが11日、分かった。今年1月から野村勝明副社長ら3人との共同最高経営責任者(CEO)制を敷いて後継社長の育成、選定を進めているが、現行の中期経営計画が終了するまで自身で経営を主導する方向だ。

またシャープは同日、戴社長が6月20日付で会長を兼務する人事を発表した。社長交代後も会長として経営に一定の関与を続けるとみられる。

台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業出身の戴社長は、経営危機に陥ったシャープが鴻海の傘下に入った平成28年8月に就任。徹底したコスト削減などの改革で再建を進めてきた。当初は東京証券取引所1部に復帰すれば社長を退く意向だったが、その後は31年度までは経営陣に残るとして、中期経営計画の途中で社長を退いた場合も会長などの役職にとどまる考えを示していた。

戴社長は11日の社内向けメッセージで、売上高を31年度までに現在の約1.3倍の3兆2500億円に引き上げるなどとしている中期経営計画の目標達成は「私の使命」で「強い責任を感じている」と表明。続投への意欲をにじませた。その上で「中期経営計画後の新たな社長の育成、選出にも取り組んでいきたい」と強調した。
2018.5.11 21:00
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180511/bsb1805112100005-n1.htm