米アップルは最近買収したデジタル雑誌購読アプリを「アップルニュース」に統合し、独自の有料ニュース購読サービスを始める。関係者が明らかにした。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」が主力商品のアップルはインターネット上のコンテンツとサービスからの売上高増強を進めている。

アップルが先月買収で合意したテクスチャーの利用者は、月9.99ドル(約1070円)で200を超える雑誌を読むことができる。関係者によれば、アップルは買収後すぐにテクスチャーの従業員約20人を削減したという。

アップルニュースのチームは現在、プレミアムサービスを構築中で、テクスチャーの技術と残りの従業員をこのチームに統合する。有料サービス付きのアップグレードされたアップルニュースのアプリは今後1年以内に投入され、その収入の一部が雑誌出版社に支払われるという。

アップルは「ビーツ・ミュージック」とビーツのオーディオデバイス事業を2014年に30億ドルで買収。ビーツ・ミュージックの有料利用者数は100万人を下回っていたが、アップルが15年に始めた定額聴き放題の音楽ストリーミング「アップルミュージック」は有料利用者が4000万人を超えるサービスに成長した。

ループ・ベンチャーズの共同創業者で長くアップルを担当しているアナリスト、ジーン・マンスター氏は「ビーツでの成功を、ネットフリックスのニュースアプリ版といった有料サービスで再現するのは難しい。音楽や映像を利用者は購入するが、大半のニュースサービスは広告が支えており、アップルがニュースサービスでテクスチャーのようなビジネスモデルを採用しても、多くの有料利用者は集まらないだろう」と述べた。(ブルームバーグ Mark Gurman、Gerry Smith)
2018.4.19 06:06
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180419/mcb1804190500022-n1.htm