NTTドコモは11日、都市部や景勝地などアンテナの設置が困難な場所でも通信環境を良くするために、地面に穴を掘って設置する「マンホール型基地局」の試作機を国内で初めて開発したと発表した。

すでに札幌市で実証実験を行っており、今年度中の本格運用を目指す。まずは第4世代(4G)移動通信方式向けだが、将来的には5Gの基盤としても利用可能という。

試作機は深さ70センチ、縦70センチ、横70センチの穴にすっぽり入る、無線装置とアンテナを組み合わせた基地局。地上を歩く人体に影響を与えないよう、電波を発するアンテナのサイズや形などを従来の基地局とは異なる仕様にした。

また、基地局を設置した穴を塞ぐために樹脂製の蓋も開発した。

電波の届く範囲はスモールセル基地局と呼ばれる従来のものと同程度の半径約90メートル。人が多いエリアの歩道の地下などへ設置を検討している。

現在、都市部ではビルの屋上などに基地局を設置しているが、通信量の増大により、東京都内などは設置場所の確保が難しくなっている。設置に際して景観に配慮が必要なエリアもあり、対策が迫られていた。
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2018.4.12 06:12
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