【ソウル=共同】韓国のサムスン証券が自社株を保有する社員への配当を送金する際にシステム入力を誤り、総額「28億ウォン(約2億8千万円)」のところ約100兆ウォン(約10兆円)に相当する「28億株」をいったん支給する処理をしていたことが分かった。7日付の韓国各紙が報じた。大量の株を受け取った社員らが売却して株式市場が混乱した。

朝鮮日報によると、送金を担当する社員が6日、本来なら1株当たり千ウォンの配当を送るべきなのに、単位を誤って千株と入力したという。

受け取ったのは自社株を保有するサムスン証券の社員約2千人。一部がすぐに売却したため売りが殺到し、株価は一時11%以上急落した。これを受けて証券側が異変に気付き、ミスを修正。実際に売却されたのは0.18%分だった。

金融当局関係者は聯合ニュースに「理由もなく手に入った株を、会社に報告もせず売り払った社員らの責任を問わなければならない」と述べた。
2018/4/7 23:27
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29131980X00C18A4000000/