日本人は職場でのIT活用が苦手でスキル向上への関心も薄い――ガートナージャパンの調査でこうした結果が出た。ITの活用は生産性を高める有効な手段の1つだが、日本が働き方改革を実現していく上でITスキルの改善が課題になりそうだ。

 調査によると、デジタルテクノロジーのスキルについて、日本は「素人」または「中程度」と自分を評価する人が58%に上り、先進7カ国のうちIT活用に対する苦手意識が最も高いことがわかった。

 一方、米国の77%は「熟練」または「エキスパート」と回答。日本の42%を大きく上回った。

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 ITスキルが低いにもかかわらず、ITスキル習得に対し、日本は「関心がない」が16%と、7カ国で最も高かった。こうした人々は「トップダウンでITによる改革をいくら進めても、過去の自らの成功体験に対する執着が強いリーダー的存在あるいは自己の流儀を変えようとしない人々である可能性が高い」と指摘。「それだけに解決が困難な問題と言える」という。

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業務用のデバイスやアプリケーションについては、「かなり古い」または「2〜3世代遅れ」を使っているとの回答が36%。他国よりもIT環境の刷新が遅れているようだ。

 ガートナージャパンのソーシャル・ソフトウェア&コラボレーション バイス プレジデント、志賀嘉津士氏は「働き方改革におけるIT刷新と従業員のデジタル・スキル向上の必要性」を指摘。有効な手段として、(1)IT活用による成功事例を示して全体を巻き込む戦術、(2)ITの知見が深くビジネスに関心のある人を組織内に分散的に配置させ、デジタルスキルが効率的に伝播する組織に変える戦術──が日本に向いているという。

 調査は2017年4月、日本、米国、シンガポール、オーストラリア、ドイツ、フランス、英国のビジネスワーカーを対象にWebアンケートで実施し、有効回答は約3100だった。
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