「いつ起きるか言い当てるのは難しい。でも、それは確実に起きるのです」

資産総額900億ドル(約9兆6000億円)の大富豪ビル・ゲイツ氏がインターネット上でこう発言し、世界の市場関係者のあいだで物議を醸している。

2月27日、有名人が一般人からの質問に答えるサイト「レディット」において、ゲイツ氏は「近い将来、(リーマンショックがあった)2008年のような金融危機がまた起きるか?」という質問に対し、冒頭のように答えつつ、こう続けた。

「(ゲイツと並ぶ大資産家のウォーレン・)バフェット氏ともこのことについて話しています。彼はもっと詳しく状況を理解している」

事実、昨年後半から上昇の一途を辿っていた株価も、今年に入ってたびたび急落が生じている。

「ゲイツは危機がどのように起きるか具体的に明言しているわけではありません。しかし、バフェットのような投資家と交わるなかで、市場について漠然とした危機意識を共有しているのでしょう」(国際金融アナリストの倉都康行氏)

バフェット氏も2月に発表した自社の株主に宛てた書簡で「M&A(合併・買収)の価格が高すぎる」と述べ、投資を控えていることを明かしている。

異常なまでの金融緩和が現在の株高=バブルを支えている―トップクラスの投資家たちは現在の市場をそのように分析しているのだ。

また、ゲイツ氏は「もう一つのバブル」にも言及した。ビットコインなどの仮想通貨市場についてだ。その詳細は、3月12日発売の週刊現代が詳しく報じているが、世界有数の資産家の警告、心に留めておいて損はないだろう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54805