英人材派遣会社ヘイズがまとめた調査で、日本では企業幹部の年収が中国など東アジア諸国と比べて低水準にとどまっていることが分かった。

調査によると、最高財務責任者(CFO)に支払われた最高年収は、シンガポールが5190万円、中国が5130万円と5000万円超だった。これに対して、日本は3000万円にとどまった。

ここ数年の傾向を見ると、日本ではリーマン・ショック翌年の2009年から低水準のままだ。だが、シンガポールや中国は上昇傾向が続き、年収差が広がる結果となった。

現在の給与に満足していないと回答した日本で働く人は64%に上った。17年の前回調査では53%で、10ポイント以上増加している。

ヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクター、マーク・ブラジ氏は「労働力はますますグローバル化しており、最高の人材を引きつけるには競争力のある給与を払う必要がある」と話し、日本が賃金引き上げに取り組まないと生産性に悪影響を与えると指摘した。

調査では、日本、中国、香港、シンガポール、マレーシアの5カ国・地域で男女3500人を対象にした聞き取りと3000以上の企業の賃金データを収集した。(ブルームバーグ Emi Nobuhiro、Isabel Reynolds)
2018.3.1 06:09
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/180301/ecd1803010609004-n1.htm