大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ・フロントリテイリングが、手作業で処理していた伝票入力業務などをロボットやITを使って自動化したことで、平成30年2月期の年間業務量を4300時間削減できることが17日、分かった。単純作業の効率化によって、人員を販売や企画といった、より生産的な業務にシフトし収益向上につなげる。

グループの事務処理作業を受託している子会社に、パソコンの入力作業など定型的な業務を自動化する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」と呼ばれるシステムを導入した。

従業員の税務申告といった、これまで手作業に頼っていた45業務を同システムを使って自動化した。今後、傘下の百貨店において請求書の伝票入力など事務的な作業にも同システムを導入していく。早期にグループで計90業務を自動化する。

J・フロントは残業時間の削減といった働き方改革にもつながるとみており、「より創造的な仕事に人的資源を振り向ける」(首脳)としている。

RPAはパソコンへのデータ入力や集計、加工などの単純な作業をソフトウエアに代行させる仕組み。単純作業を効率化できるとして、メガバンクなどにも導入が相次ぐ。

民間調査会社の富士キメラ総研によると、RPAの関連市場は42年度に、28年度比で約9倍にあたる9000億円超に拡大することが見込まれている。

2018.2.18 05:00
http://www.sankei.com/economy/news/180218/ecn1802180004-n1.html