趣味にはお金がかかるものと、そうではないものがある。特にお金がかかってしまう趣味の代表格がギャンブルだ。
しかし、ギャンブルをやめて、お金のかからない趣味を始めたはずが、
また別の泥沼にハマってしまう……というケースもあるようだ。

 37歳の男性Sさんは、独身の会社員。大学生の頃からパチンコやパチスロをするようになったという。
学生時代はあまりお金もなかったので、
月に1回くらいパチンコを打つ程度だったが、就職してから自由になるお金が増えると、パチンコに行く頻度が急増。
休日はほぼ毎回パチンコ店に行き、平日も仕事が早く終わった時は夜からでも打つようになっていた。

 もちろん勝てれば問題ないのだが、そう上手くいかないのがギャンブルというもの。
トータルでは負けてばかりで、月に10万〜20万円も負けることもあった。貯金ができないどころか、
給料を使い果たすこともあったため、「さすがにこれではいけない」とSさんはパチンコをやめる決心をした。

「暇な時間のほとんどをパチンコに費やしていたので、いざパチンコをやめてみたら時間が余って仕方ない。
そこで『ゲームならお金もかからないし時間も潰せるよ』と友人から勧められて、PlayStation3を買いました。
最初にプレイしたのは『グランド・セフト・オートV』でした」(Sさん、以下同)

『グランド・セフト・オートV』は広大なマップの中で自由に動き回りながらミッションをこなしていくアクションゲーム。

「たしかにやり込む要素が沢山あって、何時間も飽きずにプレイできましたね。
最初にゲーム機とソフトを買ってしまえばずっと遊べるので、パチンコとは比べ物にならないくらいに、
コストパフォーマンスが良いと思いました」

しかし、Sさんはこのあと、新たなゲームソフトに手を出し始める。
その結果、ゲームにどんどんお金を使うようになっていったのだ。

「サッカーゲーム、レースゲーム、格闘具のゲームなど、スポーツ系のゲームをやるようになり、
それからFPSと呼ばれるシューティングゲームもやるようになりました。
元々凝り性ということもあって、1回興味を持つと、トコトン突き詰めたくなってしまうんですよ。
そうやって、とにかく沢山のゲームを次から次へと買うようになりました」

全部のゲームを買わなくては気が済まない……という泥沼
 ゲームにハマってしまったSさんは、あらゆる新作ゲームを買うという生活に突入してしまう。

「ジャンルを問わずに気になったゲームは全て買っていました。
全部のゲームをプレイする時間もないのですが、とりあえずちょっとプレイしてみて、
ピンとこなかったらすぐにやめて……という感じです。多分月に10本くらいは買っていたと思います」

 ゲームソフトの価格は様々だが7000円くらいが相場。
それが10本なので、月に7万円くらいはゲームに費やしていたこととなる。

「PS3だけでなく、Xbox 360、WiiU、3DSなど、全部のハードも揃えるようになり、
もちろん新しいハードが出ればそれもまた買っています。
おそらく年間100万〜200万円近くゲームに使っていると思います」

 さらに最近ではスマホゲームのガチャにもお金をかけているという。

「ゲームと名がつくものはどうしても触ってみたいという願望があって、スマホゲームもプレイするようになり、
やるならしっかりやり込みたいということで課金アイテムにも手を出してしまいました。
こちらは、使う額は多くても月1万円くらいでしょうか」

結局、パチンコをやっていたときと同じくらいかそれ以上のお金を使っていることとなるSさん。

「個人的な感覚だと、ゲームは安上がりで時間を潰せる趣味だというのは間違いだと思います。
むしろ時間とお金が必要な趣味という感じです。
時間が必要な分、ゲーム以外にかける時間がないので、たとえば飲み代なんかは減りますが、
結局ゲームにはお金を使ってしまいますからね。人にもよるとは思いますが、
少なくとも私にとってはゲームは安上がりな趣味ではないと思います」

 どんな趣味でも、それなりのお金と時間がかかるということ。
お金がもったいないからとパチンコをやめてゲームを始めたとしても、必ずしも貯金ができるようになるわけではなさそうだ。

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