人気漫画「ワンピース」の内容を発売日前にインターネットに載せた被告の男に25日、有罪判決が出た。「ネタバレサイト」として閲覧者を集め、広告料収入を得た事件。なぜ、発売日前に雑誌の内容を載せられるのか。

 熊本地裁で著作権法違反の罪で懲役1年6カ月執行猶予3年、罰金50万円の判決を受けたのは沖縄県の男(30)。2012年ごろから、ワンピースが連載される週刊少年ジャンプ(集英社)を発売前に入手し、スキャンした画像数枚とストーリーがわかる文章を合わせてサイトに掲載して著作権などを侵害した。17年7月までに広告料収入約7千万円を得たとされる。著作権法に詳しい小林利明弁護士によると、漫画の1コマにも著作権が発生するため、多くの人が見られる状態でネットに公開すれば著作権法違反に問われうるという。

 集英社によると、1997年に連載が始まったワンピースはこれまで87巻が発行され、累計発行部数4億3千万部の超人気漫画。被告のサイトでは、最大で月間1億3878万回、広告が表示されたという。

 ジャンプの発売日は、全国の多くの地域で原則月曜日。男は「発売が早い店」を探すため「1件2千円〜5千円 週刊少年ジャンプの早売りをしている店舗の情報を買い取ります」「金曜日までに入手できる店の情報は1件3千円」などとネットで情報を募り、発売の4〜6日前に内容を入手していた。被告が使ったとされる求人サイトでは今も募集内容が表示され、入手が早いほど高額に設定されていた。

 「早売り店」とはどんな店なのか、訪ねてみた。

 12月下旬の金曜夕方、首都圏…
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