通販サイトにはラインナップの幅の広さや価格の安さ、品質など、いろいろなものが求められますが、Amazon.comで「安くて高品質」な品が手に入るのはインドの業者の存在が大きいことをニュースサイト・postandcourier.comが報じています。

postandcourier.comによれば、Amazonがインドに手を伸ばしたのは2年前。今や売り手は2万7000以上に増加しているそうです。

Amazonに参入したのは、インドを代表する財閥として知られるタタ・グループから、タペストリーや手作りの銅製マグなどの販売を行うThe Boho Streetまで様々。

これまで、インドの業者が扱う品を購入しようと思うと、間に多くの輸入業者が挟まることによって費用がかさんでいましたが、Amazonでは中間マージンが大幅に削られるので、消費者は安く品を手に入れられるようになりました。

一方で、Amazonは商品ラインナップを大幅に拡充することができる上に、参入した業者から多額の手数料を得ることができます。

さらに業者にとっても、Amazon.が全国の顧客に品を届けてくれることから、Amazonで品の取り扱いがあるだけで売上を伸ばすことができるというメリットがあります。

実例の1つがThe Boho Streetです。もともと「ものづくり」に力を入れたプラットフォームであるEtsyなどで販売を行っていたThe Boho Streetは、スケールやサービス内容を検討した結果、2年前に主要な販売先をAmazonへと切り替えました。その結果、2016年のサイバーマンデーには従来の4倍の売り上げ、年間収益が190万ドル(約2億1400万円)に増加。2017年のブラックフライデーには前日の3倍にも上る収益を得られたそうです。

こうした第三者販売業者の存在がAmazonにとって重要であると指摘するのは、経営コンサルティング会社であるベイン・アンド・カンパニーのアーロン・シェリー氏。Amazonのように巨大な通販サイトではニッチな商品の存在が顧客を引きつける役割を果たしており、すでに、Amazonが自ら販売を行ったときの利益よりも、第三者販売業者による販売から得られる利益の方が大きくなっているとのこと。

ジェフ・ベゾスCEOもインドの重要性は理解していて、2014年には20億ドルの投資、2016年には追加で30億の投資を行うことを発表しており、インド市場への投資総額は50億ドル(約5640億円)にもなるとみられています。
http://gigazine.net/news/20171205-amazon-recruit-indian-merchants/