0001ノチラ ★
2017/11/27(月) 19:01:43.52ID:CAP_USER'17年度第2四半期(7−9月期)の収益額は4兆4517億円で、世界的な株高や対ユーロの円安が進んだ結果、GPIFの資産運用に追い風となったという。
これまでGPIFの運用方法については、賛否両論さまざまに論じられてきたが、今回の5四半期連続黒字はどうか。この成果はGPIFの運用力が高まった結果とみるべきなのか、それとも単なる株高の「他力本願」によるものなのか。
GPIFは、四半期ごとの運用状況、年度の運用状況を公開している。'16年度の運用資産全体の収益率は5・86%だった。この数字を評価するには、市場全体の平均収益率を示す「ベンチマーク収益率」が重要であり、それは6・22%だった。つまり、昨年度の実績でいえば、GPIFの運用力は平均的な市場運用に対して0・36%及ばなかったことになる。
では、今回の'17年度第2四半期はどうかというと、収益率は2・97%だった。ベンチマーク収益率は2・96%となっており、運用力は平均的な市場運用とほぼ同じだった。
こうしてみると、たしかにGPIFの運用実績は昨年度よりも向上しているが、5四半期連続の黒字はGPIFがすごい成果を上げたわけではなく、ただ好調な株式市場で人並みの運用に成功しただけということがわかる。
そうすると浮かび上がってくるのは、そもそもGPIFは必要なのかという根本的な議論だ。
実は、海外では国民の公的年金を積立原資として運用している国はそれほど多くない。年金積立金が多い国の中で、カナダ、スウェーデンは比較的株式投資比率が高いが、アメリカや日本はそうではない。そして、イギリス、フランス、ドイツは年金積立金がほぼないとされている。
ほかに市場運用を行っている国家として、ノルウェー政府年金基金、オランダ公務員総合年金基金、アイルランド国民年金積立基金が挙げられる。アイルランド国民年金積立基金は、年間数兆円規模の運用にとどまっている。
一方ノルウェー政府年金基金は100兆円、オランダ公務員総合年金基金は40数兆円とそれなりの規模だが、ノルウェーは資産運用に石油から得られる収入を組み入れているし、オランダは公務員の年金であり、国民の年金ではない。
日本の年金制度は現役世代が現在の年金受給者の年金を賄う賦課方式が主だ。そのうえ、100兆円以上の積立金を持つというのは、先進国での年金財政運営の例と比較するとあまりにも特異だ。しかも、保険料を多めに徴収して積立金を作り、不必要な運用リスクを抱えるのに、結局給付額は他国とそれほど大差ない。
その観点からみると、積立金は年金運営の流動性を確保するために10兆円程度あれば十分だと筆者は考える。もし積立金を持つとしても、株式に頼るのではなくインフレ率に応じて調整を受ける物価連動債で運用すれば十分だ。
この程度なら無理に組織を作る必要はないが、それでもGPIFが存在するということは、やはり年金運用にかかわる利権が背後にうごめいているのだろう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53597