米国発祥の11月の大型セール「ブラックフライデー」が日本でも拡大している。昨年に国内大手で初めて本格導入したイオンは、前日が祝日のため1日前倒しでセールを開始。楽天もポイント付与率を最大36倍とし、米ギャップは対象ブランドを増やす。個人消費が力強さを欠くなか、年末に向けた安売り合戦が熱を帯びそうだ。

 イオンはグループのスーパーやショッピングセンターで、23〜26日にセールを実施する。紳士スーツなど一部の衣料品を半額にするほか、割安な限定品などを扱う。昨年は期間中の売り上げが2割伸びるなど成功した。

 楽天は24日午前10時から27日まで72時間にわたり「楽天市場」でポイント付与率を最大36倍に高めるなどのセールを開催する。家電ベンチャーのバルミューダ(東京都武蔵野市)の炊飯器や鮮魚のノドグロなど「黒」にちなんだ商品や高額品を中心に日替わりで目玉商品を用意する。

 米ギャップは22〜26日に関連イベントを日本で開く。展開する「ギャップ」と姉妹ブランド「バナナリパブリック」の商品を対象に、最大50%オフで販売する。スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)も日本で初めて実施した昨年に続きセールを開く。26日まで一部商品を最大70%オフにする。

 米国では例年、11月第4木曜日の「感謝祭」明けの金曜日から、小売り各社がセールを始める。クリスマス商戦の幕開けとされ、販売店が黒字になることからブラックフライデー(黒い金曜日)といわれる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23800620S7A121C1TI1000/