リッチな気分になれる満足度の高いサービスは、必ずしも金額に比例しない。つまり、サービスを吟味すれば、たとえ年収300万円の人でも、実質的には年収600万円の生活をすることができる。短期連載「『金持ち生活』超入門」。第1回はレジャーの選び方について――。(全4回)

お金に余裕がなくても「遊べない」と諦める必要はない。都内に限っても、実にさまざまなレジャーを無料・もしくは非常に安い価格で楽しむことができる。

たとえば映画を見るなら、「銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ」がおすすめだ。ここは、高級ブランド・エルメスの財団が、アートや環境、教育などさまざまな分野への支援の一環で開いているプライベートシネマ。エルメスの本社ビル10階にあるので、高級感はたっぷりだ。しかも、料金は無料である。過去に鑑賞したことがあるという男性はこう語る。

「月替わりで作品を変えながら、毎週末に上映会が開かれています。新作というよりは古典の上映が多い印象ですね。銀座メゾンエルメスのHPで、鑑賞希望日の3週間前から予約できます」

当日キャンセルがあれば先着順で入れるというから、直接会場に行って「席があれば見る」というスタンスで臨んでもいいだろう。

いい音楽に触れるのにもお金はかからない。六本木にあるサントリーホールでは、毎週木曜日のランチタイムに「オルガン プロムナード コンサート」という無料コンサートを開いている。ホールを開放し、演奏中の出入りも自由というから、仕事で六本木に行くときはぜひ立ち寄ってもらいたい。ちなみに、月に1回行われる無料のバックステージツアーでは、楽屋やアーティスト・ラウンジなど通常見られない「舞台裏」を見学することもできる。

もっと非日常を感じたければ、新宿にある東京都庁へ。第一本庁舎45階の展望室は、無料で地上202メートルの高さから東京の街を一望できる極上スポット。年末年始をのぞく毎日9時30分〜23時まで入場できるので、仕事帰りに夜景を見に行くのもいいだろう。

都内から行ける楽園で無料温泉を堪能
少し遠出をするなら、都内から2時間30分で行ける島・新島へ。もちろん交通費はかかるが、島内にはトレッキングや海水浴、釣り、温泉と無料で楽しめるレジャーが満載。なかでも湯の浜露天温泉は、島の特産品コーガ石でできた古代ギリシャ建築風でフォトジェニック。24時間無料で浸かることができ、時間によってさまざまな島の景色を楽しめるという。

「特に夕日の時間帯がきれいで感動しました。水着をお忘れなく!」とは、筆者の友人女性の感想だ。水着着用なら、女性も気兼ねなく入浴できるから、家族旅行の行き先としてもいいだろう。

最後に、筆者の友人男性も利用する清洲橋ゴルフセンター(江東区)を紹介しよう。彼は興奮気味に話す。

「そもそも都内にはゴルフ練習場が少なく、あっても高い。同じ江東区内のある練習場は、90分2打席9770円(土・日・祝日)です。その点、清洲橋ゴルフセンターは1打席2時間2300円と、とにかく安い」

でも、安かろう、悪かろうということはないのだろうか。

「それはありますよ。ボールはボロボロだし、地面は凸凹しているし、店員はやる気がない。もう少しお金を出して、いい練習場に行ったほうがいいんじゃないかと思ったこともあります。でも、実際グリーンに出れば地面は凸凹しているわけだし、『臨場感がある』と言えないこともない。結構うまい人も練習に来ているのを見て、『これでいいんだ』と自分に言い聞かせています」
http://president.jp/articles/-/23537