後継者不足から中小企業の廃業が進み、関西では2025年頃までの約10年間で約118万人の雇用と約4兆円の域内総生産(GRP)が失われるとの試算を、近畿経済産業局がまとめた。

 後継ぎがいなくても対策を先送りする経営者が多いといい、「会社を第三者に売却するなど早めに事業承継の手を打つべきだ」としている。

 近畿経産局は、中小企業庁の試算をもとに、近畿2府4県と福井県を関西として影響を調べた。14年度実績と比較すると、25年頃に関西のGRPの約5%、雇用の約15%が失われる計算で、経済成長の抑制要因となることが懸念される。

 経営者の高齢化は中小企業では常態化する見通しだ。平均的な「引退年齢」の70歳を超える中小企業の経営者は、25年に約43万人と、全体の約6割を占めるようになる。その約半数が後継者が未定となる見通しで、多くの廃業が生じる恐れがあるという。
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