韓国サムスン電子は18日、自社のスマートフォン(スマホ)に搭載している会話型人工知能(AI)「Bixby(ビックスビー)」を2018年にもテレビや冷蔵庫に搭載すると発表した。リモコンやタッチパネルを使う番組の切り替えやレシピ検索などを音声でできるようにする。

 会話型AIは米アマゾン・ドット・コムや米グーグルなどが先行するが、サムスンは多くの家電製品を持つ利点を生かして追う。

 「あらゆる生活シーンに届けられる企業はサムスンしかいない」。サムスンの高東真(コ・ドンジン)無線事業部長は18日、米サンフランシスコで開いた自社イベントで強調した。今春にスマホ「ギャラクシーS8」に初搭載した自社製の会話型AIを、来年発売するテレビを皮切りに順次広げる。まず英語と韓国語で始め、中国語や欧州の主要言語に対応する。

 会話型AIはキーボードやタッチパネルより自然な入力方法としてIT(情報技術)大手が実用化を競っている。AIスピーカーを販売しているアマゾンの「アレクサ」やグーグルの「グーグルアシスタント」、アップルの「Siri」が有名で、サムスンもグーグルとは協業している。

 ただ、サムスンの担当者は「それぞれの家電に適した会話型AIを出し続けるためには自社で取り組む必要がある」と話した。

 調査会社ガートナーのアナリスト、ブライアン・ブラウ氏は「サムスンは家電をよく知っている強みがある。対応ソフトを充実させるなど生態系を作れるかどうかが勝負だろう」とした。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22435290Z11C17A0EAF000/