LINEは5日、ドイツで現地の大手メディアグループと組み、ライブ動画の配信サービスを始めたと発表した。海外でライブ動画配信を提供するのは初めて。主力の対話アプリは欧州では普及していないが、成長が著しい動画関連サービスを軸に欧州市場への参入を本格化する。

 「LINEライブ」は個人や有名人が撮影した動画をリアルタイムに配信するサービス。動画を見ながらコメントや対話アプリで使う「スタンプ」を書き込んで、双方向でやりとりができるのが特徴だ。日本では2015年にサービスを開始し、月間2400万人が利用している。

 独では複数の放送局を傘下に持つ大手メディアグループ、プロジーベンザット1グループと連携。個人による配信のほか、同グループの持つコンテンツも活用する。スマートフォン(スマホ)用のアプリをダウンロードすれば、動画の投稿や視聴が無料でできる。

 LINEは日本、台湾、タイ、インドネシアを主要市場と位置付け、対話アプリを核にして様々なサービスを展開している。一方で米国や欧州、中国といった市場では米フェイスブック傘下のワッツアップなど他の対話アプリが強く、LINEの存在感は薄い。独では大手メディアと組み、まずは動画サービス単独で利用拡大を図る。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ05HW6_V00C17A9TI1000/