米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は30日、社員に向けて2019年にも新規株式公開(IPO)を目指す方針を明らかにした。同氏はIPOを控え企業価値の向上を期待する投資家の支持を受け、米エクスペディアCEOから転じたばかり。ウーバーの企業価値は680億ドル程度(約7兆5千億円)で非上場企業では世界最大。大型上場になるのは確実だ。

 コスロシャヒ氏はIPOまでの目安として18〜36カ月との時間軸を示した。ウーバーは昨年、約28億ドルの赤字を出しており、不採算事業の見直しなどで赤字幅の縮小を進めつつある。

 コスロシャヒ氏は社員に高い透明性の確保を約束した。社是の修正や運転手の待遇改善に優先的に取り組んでいく方針。主要株主のベンチャーキャピタルが不正行為で創業者のトラビス・カラニック氏を提訴し、追放しようとしているが、カラニック氏は社内に残り一定の役割を担うことも決まった。

 この訴訟の判事は同日、事実検証を非公開の仲裁人による裁定に委ねるとの判断を下した。公開裁判での創業者と株主の泥仕合はひとまずは回避された。
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