株式などへの投資で得られた利益が非課税となる制度「NISA」の利用を促そうと、金融庁は口座の開設を申し込んだその日から株などを買えるようにする制度改正の方針を固めました。
個人向けの優遇税制「NISA」は専用の口座で年間120万円までの株や投資信託への投資で得られた利益が5年間、非課税となる制度で、口座数はことし3月末時点で1077万余りに増えています。しかし、口座の開設を申し込んでから実際に株などを買えるようになるまで2週間ほどかかることなどから、口座を開いても投資をしない利用者が全体のおよそ4割に上っています。

このため金融庁は口座の開設を申し込んだその日から株などを購入できるようにする制度改正の方針を固めました。現在は1人1口座に限られている専用口座を複数持っていないかどうかのチェックが終わらないと株などを買えませんが、今後はすぐに買えるようにし、もし「二重口座」などの問題が確認された場合は口座を1つに統合することなどを求めるとしています。

金融庁はこれによってNISAの利便性を高めて利用の拡大を促したい考えで、今後、必要な法律の改正を来年度の税制改正要望に盛り込み、来年から始まる長期の資産運用向けの優遇税制「積立NISA」にも適用していく方針です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170823/k10011107941000.html