中略

田島 里奈
今、日本では「働き方改革」が推進されていますが、「残業代がなくなるのは困る」「やることは減らないのに残業だけ禁止されても」「もっと会社にいたい!」といった声もあるようです。

ひろゆき
まず、「働く」ということが全部同じくくりになっているのが、行き違いの原因なんじゃないですかね。

田島 里奈
ひとくくり、ですか。

ひろゆき
働く人が給料の対価として、「雇う側がやりたくないこと」をやるような仕事と、好きで絵を描いていたらそれが売れちゃった人の仕事を同じ「労働」という言葉で語ってしまうから誤解が生まれてしまうんです。

雇用されている人でも、仕事でプログラマーをやっていて、土日も家にこもって趣味でプログラムを書くようなエンジニアもいますし。

田島 里奈
働き方改革に対して意見が食い違うのは、「好きで創造的な仕事をやっている人」と「嫌な仕事を奴隷的にやっている人」を、全部同じ「労働者」として見ているから、ということですね。

ひろゆき
もし、やりたくないことで時間を切り売りしてお金に変換しているのであれば、できるだけ労働時間を減らすよう生活設計をしたほうがいいですし、好きなことをやってお金がもらえる人は、好きなだけ働けばいい。

いろいろな状況、いろいろな意識で働いている人がいるわけで、それをいっしょくたに同じルールでしばるのは難しいですよね。

田島 里奈
ひろゆきさんが「働き方改革」をするとしたら、何を変えたいですか?

ひろゆき
ブラック企業で働く人が「安心して辞められる仕組み」を整備することですね。

具体的には、失業保険は審査制ではなく、失業者が申請したら誰でも貰える制度にした方がいい。現状だと、企業が離職票を発行しないせいで失業保険が貰えないとか、そういう嫌がらせもあるみたいなので。

田島 里奈
とても具体的ですね。

ひろゆき
生活の不安のために嫌な会社を辞められない人もいるようですが、そういう人が我慢したままだと、ブラック企業が生き残って、従業員にまともに給料を払ったり有休を認めたりしている会社が、競争力で負けてしまいます。

辞めたい人が辞めやすい制度を整えることで、ヤバい会社を社会から駆逐し、きちんとした会社が残る構造に変えていかないと、”奴隷”的な勤務体系の会社がはびこり続けてしまいますから。

田島 里奈
実現したら、社会が健全化しますね。幸せを感じる人が増えるかもしれません。

ひろゆき
僕、「人はなぜ生きるのか」という問いの答えは、「死ぬまでにできるだけ楽しく幸せに暮らすため」だと、今のところ思っているんです。

楽しく暮らす人が多くなると、周囲の人も幸せになりますよね。人間関係で余計なストレスが掛からなくなって、余計にみんな幸せになりやすくなる。

田島 里奈
世界平和にもつながりそうですね。

ひろゆき
そうです。まぁ、世界平和というか、みんなが楽しく暮らしてくれると、まわりまわって僕も幸せに楽しく暮らしやすくなってトクなので、みんな楽しく暮らそうよ! ってことなんですけどね。
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