8/10(木) 20:08配信
川内原発 再稼働から11日で2年 運転延長問題の行方は


鹿児島県の川内原発が再稼働して8月11日で2年を迎えます。おととし8月、福島第一原発事故を受けた新しい規制基準で国内で初めて再稼働した川内原発は、この2年間、大きなトラブルもなく運転してきました。川内商工会議所もこの2年間の運転を「安定している」と評価しています。再稼働したことによる経済効果も大きかったとしており、去年10月から今年3月にかけて行われた定期検査では、県内外から原発関連会社の従業員が多く滞在し、ホテルやタクシーなどへの経済効果がおよそ12億円に上るとみています。これに対し、川内原発から12キロ離れたところにある薩摩川内市山之口町の自治会長は、「福島の事故を忘れないでほしい」と訴えます。川内原発は1号機が運転を開始して33年、2号機が32年で、1号機は国が定めた「原則40年運転」が7年後に迫っています。設備の老朽化を考えての「原則40年運転」ですが、原子炉の劣化状況などを調べる国の安全審査に合格すると、最長20年運転延長が可能になります。運転の延長について「今は何もない」とする九電ですが、原発の再稼働に伴う安全対策工事などで、九電の投資は6000億円以上と見られ、関係者の多くは「九電は運転延長を求めてくる」とみています。法定運転年数40年を超えた運転をすることについて、原子力政策の専門家は慎重な立場です。一方、経済団体は、地元への経済効果を期待し、運転延長を望んでいます。40年を超えた運転延長で、国の審査と合わせて必要なのが「地元」の同意です。そこで注目されるのが「脱原発」を掲げて当選した三反園知事の考えです。去年の知事選挙で三反園知事は、反原発団体の平良行雄さんと「脱原発」で政策協定を結び、当初40年を越える運転には否定的でした。しかし知事就任後、原発の稼動を事実上容認。40年を超える運転について、自らの考えをはっきりと説明していません。運転延長をどう考えるのか丁寧な説明が求められる三反園知事ですが、これまでの知事の政策を評価してきた脱原発団体のメンバーは、運転延長に同意しないでほしいと言います。川内原発の40年運転まであと7年と迫るなか、運転延長問題をどう考えていくのか。国のエネルギー政策も含めて、県民の間で論議を深めていく必要がありそうです。

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