インターネット上の仮想通貨、ビットコインが、取り引きを処理するシステムの変更をめぐって来月以降分裂する可能性が出ていて、取り引きを仲介する取引所は混乱を避けるためビットコインのやり取りを一時的に停止することも検討するなど対策を急いでいます。
仮想通貨の代表格であるビットコインは、送金にかかる時間の早さや手数料の安さのほか、値上がりへの期待から利用者が急激に増えてきました。

しかし、それに伴って取り引きに時間がかかるようになったり、手数料が上がったりする問題が起きていて、ビットコインを手がける事業者などの間では取り引きの処理能力を高める新たなシステムに変更しようという動きが出ています。

ただ、変更のしかたによっては来月以降、今のシステムで取り引きされるビットコインとは別に、新たなシステムで取り引きされる異なるビットコインとに分裂し、混乱が生じるおそれが出ています。

このため取り引きを仲介する取引所は対策を急いでいて、このうちビットバンクは、事態が収束しなければ来月以降、ビットコインの送金などのやり取りを一時的に停止することも検討しています。廣末紀之社長は「顧客の資産保護が大切であり、利用者に注意喚起していきたい」と話しています。

国や中央銀行といった管理主体のない仮想通貨ならではの課題が浮き彫りになったもので、混乱を避けられるのか事態の行方が注視されます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170718/k10011062541000.html